さぬき市を拠点に39年もの間、活動してきたアマチュア劇団「劇団プチミュージカル」。
今年度、その歴史に幕を下ろすこととなりました。
グランドフィナーレ公演に準備されたのは
過去の人気作「いろはにこんぺいとう」。
戦時中の画学生とその周囲で人たちが懸命に生きる姿を、時にコメディに、時にシリアスに描いたもの。
見どころはストーリーだけではなく、歌・ダンス・大道具とたくさんあります!
アマチュアでありながらプロに負けない『プチミュージカル・クオリティ』を楽しみに
この週末12月25日(日)レクザムホール公演へ足を運んでみませんか?
今年主人公を演じる小学6年生の役者たちにも見どころをお聞きしてきました!
「劇団プチミュージカル」の活動拠点、さぬき市津田町鶴羽にある旧鶴羽小学校にやってきました。
劇団としての最後の公演に向けて、12月からは通し稽古が続いています。
体育館の中を覗いてみると、例年以上に多いスタッフさんや役者さんの数が!
ラストの公演に関わりたいと、戻ってきてくれたメンバーもいるのだそう。
「劇団プチミュージカル」はさぬき市内の小学校のクラブ活動から始まりました。
その後、子どもだけではなく保護者の力も借りて独立し、役者もスタッフも幅広い年代が揃うように。
拠点を津田町から変えないまま、地方でプロに負けないアマチュア劇団を目指し続けて今年で39年。
家族の物語を描き続けてきましたが…
今年度の公演をもって活動が終了。
長い歴史に幕を閉じることを決断されました。
その理由は深刻な少子化。
子どもが少なくなることで、これまでプチミュージカルが描いてきたものが描けなくなってきたことが一番の理由だそう。
もちろん他の芝居を行うことも可能だけれど、それはもはやプチミュージカルではない。
「劇団プチミュージカル」の作品を作り上げてきた白川恵介さんはそうおっしゃっていました。
最終公演は劇団員にも人気の作品!
そんな劇団「プチミュージカル」が最終公演に選んだ作品は「いろはにこんぺいとう」。
これは2005年、2012年にも上演されて人気を博した作品で、脚本の白川さんにとっても大好きな作品。
劇団員の中にもファンが多く、この作品を観て入団したメンバーや、リバイバルするなら劇団に戻ってお手伝いしたいというメンバーもいるほど。
作品は戦時中の画学生とその周囲の人たちが懸命に生きる様子。
そして現代と過去がリンクする夏の出来事を描いたファンタジー・コメディ。
画学生たちは出征前の短い間に自分が生きてきた証のため一番大切なものを描いていた…ということから、絵画や絵を描くシーンがたくさん出てきます。
戦時中の話と聞くと悲壮なイメージが思い浮かぶかもしれませんが、プチミュージカルは前向きなメッセージを我々に投げかけます。
(「劇団プチミュージカル」作・音楽 白川恵介さん)
「戦争のドラマと伝えると『戦争反対・平和を大切にというドラマなんですか?』とよく言われます。
でもこの作品はそうじゃない。戦争という中で懸命に生きている人たちを描いています。
(写真:「劇団プチミュージカル」作・音楽 白川恵介さん)
トータルで言えば『人生の光と影』。
現在の日本も前の戦争を乗り越えての今があり、この作品に出てくる人物もいろんな影を抱えている。
でもその影を排除するのではなく、それに支えられてみんな生きているんだというのを描いた作品です。」
楽しそうなお化けたちのダンスや歌も見どころ!
白川さん作曲のオリジナルの歌は一度聴くと頭の中でずっとループしちゃうほど、クセになる楽曲ばかりです♪
今年の主人公を演じる小学6年生たちにインタビュー!
「劇団プチミュージカル」といえば、その年の小学6年生が主役を演じることでお馴染み!
最終公演を務め上げる主人公たちはさぬき市の小学校に通う小学6年生のこの3人。
プチミュージカルで芝居をやるのが楽しい!と感じているのが身体中から溢れていました!
そんな3人に「いろはにこんぺいとう」の中でおすすめのシーンをお聞きしました!
小川幸乃さんは3年生の頃からお姉さんと一緒に劇団に入団。
今回の役 絵が好きで内気な少女 夕子 は自分の性格とあまり似ていないため、最初は演技に戸惑いもあったそう。
先生に相談したり自分で考えながら本番に向けて役作りを頑張っているのだとか。
■夕子役 小川幸乃さんのおすすめシーン
「子どもたちがお化け屋敷をやるときにいろんなお化けの仕掛けがあって、ろくろ首の首が伸びたり火の玉が光ったりします!
細かいしかけがたくさんあるので、そこに注目してほしいです!」
筑後俊治さんは、学校の学習発表会でお父さんにお芝居を褒められたことがきっかけで5年生の時に入団。
今回の役 家柄が良くとても明るい少年 朝男 は自分とも性格が似ていて、感情を込めて演じられているとのこと。
重要なセリフを言うことが多く、大事なセリフにどれだけ感情を込めればいいのかわからないと悩むことも。
そんな時は家族と食事するときに相談に乗ってもらったりと、家族も一緒に演じることに一生懸命向き合ってくれているそう。
■朝男役 筑後俊治さんのおすすめシーン!
「特に言えば、スイカ割りのお兄ちゃんが出てくるところが面白くて好きです!
ぜひ注目してください!」
大北一花さんは4年生の頃、劇団の人に誘われて公演を観にいったことをきっかけに芝居をやりたくなって入団。
今回は戦時中を生きた画学生の妹 美奈子の役を演じます。
戦時中の喋り方や着物を着た歩き方など、今の自分と違うことがありすぎてかなり戸惑ったという一花さん。
まだわからないことがあるから先生たちに相談しながらいい演技がしたい!と意気込んでいます。
■美奈子役 大北一花さんのおすすめシーン
「ひまわりクラブの『ひまわりは影に支えられている 私たちの人生も同じように影に支えられている』とわかるシーンが見どころだと思います。
歌や踊りも入るのでぜひ観てください!」
プチミュージカルのもう一つの見どころは大道具・小道具!
一度「劇団プチミュージカル」の舞台を見た人が口コミでおすすめしてしまうのが、大道具・小道具の素晴らしさ。
プロの劇団にも負けない完成度の高い大掛かりなセットに細部まで手作りされた道具たち。
今回の舞台は「お化け屋敷」ですが、過去の公演時に作ったものを修繕したり、新しく作り直して再演します。
そこは客席から見えないかも?!というところまでしっかりと作り込まれています!!
大きなセットだけに転換にも多くのスタッフが必要。
ステージ裏もこれまでにないくらい人が多いですよ〜!
ちなみにこのセット、実際に津田町の夏祭り「津田まつり」に設置されて、本物の「お化け屋敷」として人気を博したこともありました!
内装外装が本格的な上、お化けも劇団員の人が担当しているので怖さが半端なかったそう。笑
あなたもお化け屋敷で楽しむ気分で舞台を見てみてくださいね。
最終公演に向けてスタッフたちの気持ちは
「劇団プチミュージカル」を知れば知るほど驚くのがスタッフ層の厚さ。
子どもが劇団に入ったことからスタッフとして関わりはじめ、子どもたちが卒業した後もスタッフとして残っているという方が少なくありません。
中には30年以上関わっている人も!
小さかった子どもたちも小学校6年生まで成長すれば、その後は進学のため脱退することも。
年々メンバーがリフレッシュしていく中、安定感のある公演を毎年行えたのはベテランのスタッフさんがいたからとも言えます。
(「劇団プチミュージカル」代表 山ア恒人さん)
「スタッフたちも30年以上関わっていて、そのうちに70歳を超えたりして。笑
少子化に加えて高齢化しているのもあって、活動中止という流れになってしまいました。
私も娘がやり始めてから関わり始めて、そこからずっとプチミュージカルで育ってきました。
仲間もどんどん増えて、それはとても良かったし、その繋がりは続くものもあると思う。
最後の公演はシリアスなところもあるけど、基本的にはコメディだし楽しく終わりたいと思います。
たくさんの人に見ていただきたいと思います!」
今回の公演にはOBたちも参加して、前回の「いろはにこんぺいとう」よりもかなり多くのお化けが登場しますよ〜!
「劇団プチミュージカル」の時代を紡いできた皆さんが登場するオーラスをお見逃しなく!
いよいよこの週末12月25日(日)は最終公演が高松で開催!!
「いろはにこんぺいとう」はこの週末12月25日(日)高松市レクザムホール
翌年2023年2月12日(日)三木町文化交流プラザにて公演決定!
お得な前売りチケットもローソンチケット(Lコード63558)で発売中。
当日券もあります!
今年のクリスマスはプチミュージカルの舞台で胸いっぱいの感動を味わってみてはいかがでしょうか?
劇団プチミュージカル「いろはにこんぺいとう」公演
公演日時/
2022年12月25日(日)レクザムホール(大ホール)16:00開場、16:30開演
2023年2月12日(日)三木町文化交流プラザ(メタホール)16:00開場、16:30開演
チケット料金/前売り1800円、前売りペア3000円、当日券2000円(全席自由、大人・子ども同額)
チケット販売箇所/劇団事務局・ローソンチケット(Lコード63558)
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