さぬき市志度に自宅を解放したちいさな図書館があるのをご存知ですか?
それが「わがんく文庫」。
毎週土日の短時間のみ開館し、子どもから大人まで本好きの集まる場所になりつつあります。
『本が読みたいけど、多くの中から何を手に取っていいかわからない。』
そんな悩みに応えてくれるコンシェルジュ的な存在 小笠原さんがあなたを待っています。
4月9日には開館2周年記念のイベントも行われますので、これを機に足を運んでみませんか?
さぬき市志度のとある住宅街にやってきました。
こんなところに図書館が?と思いつつ、周りをキョロキョロと探してみると…
ありました!!
手書きのオープン看板!
ここが「わがんく文庫」さん。
2022年4月1日に誕生した、毎週土日の15:30〜17:00のみ開館する小さな私設図書館です。
ご自宅の一部を解放されているので、入り口は一軒家の玄関。
思わず「おじゃまします〜」と靴を脱いで入ります。
(↑お名前はあえて消しています)
早速入り口のカウンターに貸し出しカードを発見!!
「わがんく文庫」さんの貸し出しのルールは、1人5冊まで・貸し出し期間は1ヶ月。
その枚数や文字から、年齢を問わずたくさんの方がここを利用されているのがわかります。
あえて手書きの貸し出しカードに嬉しくなります。
それでは楽しみにしていた本棚拝見!
ここには生き物の本が中心にならんでいる様子。
昆虫・動物・ふしぎないきもの・「ぐりとぐら」に「ごんぎつね」。
いきものくくりのいろんな本が隣り合っています。
こちらは漫画。
漫画はほとんどが寄贈もの。
今人気の作品も揃っています。
奥の図書館スペースは畳の間。
暖かい日差しが差し込んで、ごろんと横になって本を読みたくなるほど心地よい空間です。
座卓を囲むように本棚があり、
環境やSDGsに関する本や
子育て・お金・ビジネスの本。
食べ物の本などなど。
本棚ごとに同じようなジャンルの本が並んでいますが、棚ごとのジャンルの見出しはあえてつけていません。
また、児童書・専門書・新書が混じるように棚に並べているのは、運営している小笠原さんのこだわり。
その分カテゴリや年齢別の先入観がなくなり、新しい本との出会いが生まれやすくなっています。
また、図書館というと自分で読みたい本を選んで借りる…というイメージがありますが、「本を読みたいのに、何が読みたいかわからない。」状態に陥ってしまうことも。
そんな時に小笠原さんは「どんな本が好きですか?」と声をかけてくれます。
(「わがんく文庫」でも人気の本)
今、こんな本が人気で…
こんな話が好きならこれもどうですか?…
(「わがんく文庫」小笠原さんの好きな絵本)
あまり人気がないんだけど、私はこの本がお気に入りで…
と、自分では手に取らなかったであろう本が続々と登場!
話を聞いているうちに表紙をめくりたくなって、気づいたらじっくり読みこんでしまいました。
(「わがんく文庫」小笠原さん)
「図書館をやっていると、本に興味があるのに何を手に取っていいかわからない人が意外と多いなと感じています。
そんな人に話しかけるのが好きで、お客さんと話をしながら本を薦めています。
通常の図書館では話がしづらいですが、ここは話せる図書館です。」
わたしも小笠原さんのトークに引き込まれて思わず本に夢中に。
なにか新しい本に出会いたいと思う方ほど、ここで小笠原さんと話をしながら本選びをしていただきたいなと思いました。

「わがんく文庫」を運営している小笠原さんは淡路島出身。
結婚を機に東京・横浜を経由して香川県に移住し6年目。
普段は別のお仕事をこなしつつ、ふたりの小学生を育てているお母さんでもあります。
この場所で図書館をやってみようと思ったのは、小さい頃に根付いた本の思い出と子育てがきっかけになったそう。
(「わがんく文庫」小笠原さん)
「わたしは淡路島の出身なんですが、小さい頃はテレビの時間を制限されていて、家にある娯楽は本しかなかったんです。
たくさんの本で本屋さんごっこをして遊んだりもしました。
でも中学以降は部活動で本からずっと離れていて…改めて向き合うきっかけになったのは子どもが生まれてから。
手が届く場所に本があれば自然と手に取って読んでくれると思って、家の中のいろんな場所に本を置いてみました。
でも一番子どもたちに響いたのは夜の読み聞かせ。
小学生になった今でも『今日は何の本にする?』と言ってくれます。
子どもたちが大きくなった時に『小さい時にこの本を読んだな』と記憶に残っていれば、その思い出が何かの救いになるかもしれないと思っています。」
そしてお子さんが小学生になった2022年4月1日。
自宅にある本を詰め込んだ本棚1つから「わがんく文庫」がスタート。
「こういう本があったら喜んでくれるかな?」という気持ちで蔵書を増やし続け、1年でその数は1500冊に!
現在も絵本の寄贈を受け付けています。(ぜひ寄贈したい方は公式Instagramを通じてご連絡を!)
また、小笠原さんの中で本の存在は人と交流するきっかけのひとつ。
たくさんの人と出会いたいという気持ちから、最近では車に蔵書を積んでの出張図書館や本のイベントへの出店も増えてきたそう。
(「わがんく文庫」小笠原さん)
「40歳を迎えた時に、残りの人生をどういうふうに生きていくかと考えたんです。
その時、いろんな仲間と本に囲まれて過ごしたいと思いました。
本を通じて知り合った人はもちろん、いろんな場所で出会った人たちが足を運べるように、思い切って自宅を図書館として解放することにしました。
また、本をきっかけにいろんな人とコミュニケーションを取りたいし、人と楽しいことを生み出していきたいと思っています。
イベントだと多くの人が足を止め、本に手を伸ばしてくれる。
その瞬間に話かけたくて、ここから飛び出して出店しています。」
この1年間、あちこちで本をきっかけに人と人をつなぐ役割として奔走されてきた小笠原さん。
2周年を迎えたこの1年もさらに輪が広がって、数年後にはどんなコミュニティが出来上がるのか。
これからの「わがんく文庫」がとても楽しみです。

2022年4月1日に開館した「わがんく文庫」。
その2周年を記念して、4月9日(日)の開館日には2周年記念のイベントも開催。
チューリップの栞を折り紙で作ろうワークショップ(予約不要)や、この1年で一番借りられた本のランキングなども発表予定ですのでお楽しみに♪
※開館時間は4月9日(日)16:00〜17:00と短時間なのでご注意を。

・4月29日(土・祝)「おしろのまちの市」@丸亀市
・5月4日(木・祝)「海辺ブックフェス」@さぬき市津田町
・5月28日(日)「峰山あおぞら読書会」@高松市
・6月18日(日)造田出張図書館@さぬき市造田児童館
その他、「わがんく文庫」公式Instagramでチェックを。→https://www.instagram.com/waganku_bunko/
とくに5月4日の「海辺ブックフェス」はこの春オープンの津田町「うみの図書館」周辺で開催されるイチオシのイベント。
「Book Cafe Solow」「なタ書」などの香川県内外の本屋さんのブースが並ぶほか、青空古本市、物販・飲食ブース、トークイベント、書評大会、お子さん向けの謎解き宝探しが開催されます。
会場は砂浜まで徒歩30秒。
本を片手に海で過ごす1日を楽しんでみませんか?
イベント詳細は公式Instagramをご覧ください。→https://www.instagram.com/waganku_book/
わがんく文庫(私設図書館)
場所/香川県さぬき市志度(志度駅から車で3分)
開館日/毎週土日15:30〜17:00 ※臨時休館あり。開館日は公式Instagramで確認を。
駐車場/あり
公式Instagram https://www.instagram.com/waganku_bunko/
お問い合わせ先/利用希望の方は公式InstagramのDMよりお問い合わせください。