ゴールデンウィークに入り、さぬき市各所で田植えの風景が見られるようになりました。
そんな中、5月3日(水・祝)には造田八幡神社にて
「釜鳴神事(かまなりしんじ)」が執り行われました。
蒸篭の音で今年の豊作を占うという不思議な神事ですが…
気になる今年の御託宣は?!
神事の様子など詳しくご紹介します。
5月3火、さぬき市造田 鴨部川の北側に位置する造田八幡神社にやってきました。
ゴールデンウィーク後半のスタートは見事な晴天!
神事日和となりました。
長い石段を昇り、辿り着いた境内の空気はまるで森の中のよう。
5月らしい清々しい山の空気に溢れていて、ここにいるだけで体が軽くなったような気がします。
そんな造田八幡神社では毎年5月3日の「春季大祭」の中で、「釜鳴神事(かまなりしんじ)」という今年の豊作を占う神事を執り行っています。
造田神社で「釜鳴神事」が始まったのは947年。
当時、別の場所にあった神社を現在の場所に移す時に、良い場所を釜鳴によって占ったのが始まりだと伝えられています。
新型コロナウイルスの影響もあり、ここ数年は規模を縮小して疫病退散の祈願も含めて執り行われていました。
今年は久しぶりに境内にお茶席が復活。
ご来賓の方も見学の方も多く、コロナ禍前に戻ったと感じられる風景が見られました。
さて神事が執り行われるのは本殿に向かって左手の専用社殿。
中には3つの竃があり、すでに薪で火を起こして準備は万端!
釜の真ん中は神饌(神様のごはん)を炊く御釜、両側2つは鳴釜。
ですが現在は3つとも鳴釜として使用されています。
お祓い、祝詞奏上、お清め、そして御神楽(浦安の舞)…と神事は進んでいきます。
浦安の舞では一気に場が華やかに。
そしていよいよ釜鳴の神事です。
縦に長い蒸篭にお米をふた握りほど入れてお水を注ぎ、釜の上に置きます。
蓋を少しだけずらして、暫し待つこと数分…
「ブウウーーーン」という太く低い音が!!!
さらに両側の蒸篭の蓋をずらすと「ブウォン・ブウォン・ブウォン…」と小刻みな音が。
なぜこんな音が鳴るのか、本当に不思議…
釜の位置によって音の鳴り方も違っていて、とても興味深いもの。
この音を聴き分けて豊作を占うというのがまたまた面白いところです。
無事に3つの蒸篭から音が鳴り、神事が終わりました。
さあいよいよ今年の「御託宣」!!
「令和5年の御託宣は『吉』と出ました。
冬枯れの 草木も いつか 春来れば
もとの青葉を 見るぞ楽しみ。
冬枯れの草木の如く、やがて青葉の季(とき)が来ます。
初めは心配事が多いけれど後になれば何事も望み叶う時が来ます。
信心怠りなく 心を正しくしなさい。」
春らしい言葉をあしらいつつも、日々の行いと努力を大切にと謳う御託宣に背筋が伸びる思い。
これから芽吹くであろう事をひとつずつ大切にしていこうと思うのでした〜!!
神事の後はみなさんに鳴釜で炊き上げられたお米「御炊米(みかしぎまい)」が配られます。
普段のお米に混ぜ込み、炊くことで、無病息災・疫病開運のご利益が得られます。
一緒についていた笹は病気や気になる体の部分を祓うと良いと書いてあり、全身くまなくサササと祓わせていただきました。笑
来年の神事まで神棚に飾らせていただこうと思います♪
神事というと少し堅苦しいものと思われますが、「釜鳴神事」は屋外で執り行われるため、小さいお子さん連れでも気軽に見にくることができるもの。
造田神社ならではの気持ちのいい空気の中で過ごすことができますので、ぜひ来年も注目してみてくださいね。