2023年07月12日

来春オープン!大串半島にて新施設の建設工事がいよいよスタート@大串

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さぬき市北部、瀬戸内海国立公園ならではの景観を楽しめる大串半島。

ただいま再開発のためのプロジェクトが進んでいますが…

令和6年春の新施設完成に向けて

いよいよ建設施設の工事がスタート!!

7月9日(日)には安全祈願祭と工事説明会が行われました。

年代を問わず愛される大串半島芝生広場はこれからどんな場所に変わっていくのか?

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設計を担当される建築家 堀部安嗣さんにお話をお聞きしてきました!

「時の納屋」をテーマに考案された新しいランドスケープや建物の在り方へのこだわりをご紹介します。



大串半島活性化プロジェクトとは

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さぬき市の観光の拠点である大串半島。

半島内にはワイナリー、野外音楽広場テアトロン、オートキャンプ場があり、てっぺんにある芝生広場では目の前に広がる瀬戸内海を眺めながらピクニックを楽しむ方も。

そんな大串で『いま以上にゆっくりと人が交流し、この場所の魅力を感じてもらえれば』という思いで「大串半島活性化プロジェクト」が始まりました。

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半島の中でも大きく変化するのは芝生広場。

かつて営業されていた温泉施設の建物は現在完全撤去した状態になっていますが、来年春には休憩場所を兼ねた飲食施設が完成します。

また、駐車場から施設へのアプローチや芝生広場のイメージも一新。

「主役は建物ではなく、あくまでも自然。環境や景観を生かし、かつての姿に戻しながらさぬき市民の居場所をつくる」というテーマのもと、新しい大串を作り上げていきます。

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そんな難しいオーダーを受けて設計を手掛けることになったのは建築家の堀部安嗣さん。

住宅建築の第一人者として知られていますが、近年では高知県「竹林寺 納骨堂」や瀬戸内海を航行する宿泊型の客船「guntu(ガンツウ)」を手がけたことでもお馴染みです。


堀部さんは1967年生まれ、神奈川県出身ですが、お父様の故郷が徳島県ということもあり、幼少の頃から夏になると寝台特急や高徳線を乗り継いで四国に来るのが恒例だったそう。

そのため四国の風景・瀬戸内海の眺めは小さい頃から印象に残っているのだとか。

加えて鉄道が大好きで、特に香川県の私鉄ことでん」は好きな鉄道路線ベスト5に入るほど。

中でも志度線が一番好きで、さぬき市を訪問する際にはわざわざとって「ことでん」に乗っていきます、とおっしゃっていました。


四国にもさぬき市にも縁があり、とても親近感あふれる堀部さん。

一体どんな建築物を考案くださったのか、非常に楽しみです!




この夏、いよいよ工事がスタート!

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そんな堀部さんが作り上げる施設の工事がはじまります!

7月9日(日)には「堀部安嗣建築設計事務所」をはじめ、工事を執り行う「株式会社 菅組」さん、さぬき市の関係者、地元のみなさんが参列し、建設工事の安全祈願祭が執り行われました。

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祈願祭前は大雨の大串でしたが、神事が整った後には雨も止み晴れ間が出るほどにお天気が回復!

幸先の良いスタートとなりました!


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(さぬき市 大山茂樹市長)

「安全祈願祭が整い、やっと今日からスタートと思っています。

 建物は仮の名前で「時の納屋」としていますが、納屋といえば農家が農機具や種籾をしまっておく場所。

 これからの時代、心を癒してくれる・豊かになる場所が必要になってくるのではないかと。

 ここがみなさんの心の中の過去・いま・未来のことをしまって置けるような施設になればいいと思っています。

 また、堀部さんも初めてここでお会いした時に「ここで自然と共生するものを建ててみたい」と言っていただいた。

 自然と一体化した施設で、いろんな悩みをもった人をはじめ、多くの人に利用してほしいと思っています。」




「時の納屋(仮)」は現代技術をもって作り上げる『さぬきの原風景』

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祈願祭後、地元の方や活性化プロジェクトへのクラウドファンディング支援者などにむけて工事概要説明会が行われました。

来年春に出来上がる新施設とその周辺について、ランドスケープのイメージや飲食施設の構造建築についてかなり具体的な紹介がありました。

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「時の納屋(仮)」という飲食施設の建設が決まっていますが、今回の再開発により目指すのは「主役は建物ではなく環境と景観」。

この難しい課題をクリアするために、堀部安嗣さんとランドスケープ(景色・景観)デザイナー、構造設計のプロがタッグを組んで、新しい大串半島芝生広場のイメージを仕上げました。


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まず、建物に向かうメインアプローチ。

「時の小径」という名前が付けられ、駐車場からその道を進んでいくと木造の建物に到着します。

全体像を見てみるともともとの芝生広場の面積を削ることなく、また、公園全体に対して建築物の割合が少ないこともわかります。

すでにメインアプローチ部分は工事が進んでいると聞いて見学してみると、、、

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駐車場から緩やかなカーブのスロープが出来上がっていました。

歩き始めるとわかるのですが、ここからはまだ瀬戸内海が見えません。

段々と歩みを進めていくと瀬戸内海と小豆島が見えて、建物の全貌が見えてくるように計算しているそう。


また、メインアプローチの両側には最初から大きな木を植えるのではなく、昔から地域に生育していた植物の苗や芝生をベースや石を置き、ゆっくりと緑が育っていくのを見守ります。

その種類が増えていくことで国立公園らしい大串の姿が出来上がる、まさに『孫の時代に完成するランドスケープ』。

今後は地元の植物の種を集めて苗を作っていく活動も行うため、興味のある方はぜひ参加してほしいとのこと。


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メインアプローチの脇には「裏の小径」という道もありました。

ここは飲食施設への従業員・搬入車が入るための道で、メインアプローチを歩く景観を楽しむ人の目に人工物が入らないようにこれまた計算されて作られています。


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そして新しく建設される飲食施設はアシンメトリーな屋根を持つ、地上一階・地下一階の木造建て。

長い方の屋根はまるで斜面にへばりついたようにも見え、強風にもしっかりと耐えられるイメージに。

大きさは4間×5間と、木造にしては比較的大きめの建物となるため、それを支えるための構造や耐震も考えられています。


外壁はスギの木。

いろんな色に変化していくのを年々楽しめますが、10年ほどたてば重厚な色合いになり、まるで昔からあったような建築物の表情を醸し出すのだそう。


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中はカフェになっており、最高の景色が眺めながら軽食などを楽しめます(メニューは検討中!)。

客席からは太陽の光を正面に浴びて輝く瀬戸内海、小豆島が目の前に。

この角度やパノラマワイドな窓の比率は、この風景を捉えるのに一番ふさわしいもので設計されています。


また、内装もほぼスギの木で、天井を仰ぐと柱を組み交わした芸術的な造りを堪能できますが…

それもボルトなどの人工物が一切目に入らないように工夫されます。


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こちらは模型で試してみた「天井を仰いだときの視界」のイメージ。

耐震性、強風に耐える力を兼ね備えた特徴的な柱の組み方にも注目!


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パノラマワイドな窓の外には飲食スペースの床と同じ高さの「芝生の前庭」が。

建物の中にいながら、自然の中にいると感じられるようになります。


また、カフェの営業中はとくに寒い日・風の強い日以外は建具を左右に引き込み、外とつながっていると感じられる空間に。

その理由は大串半島ならではの瀬戸内海を行き交う船・風・鳥の音や瀬戸内海らしい匂いを感じてもらいたいから、とのこと。


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ちなみに建物のてっぺんにある越屋根が特徴的ですが、この立ち上がり部分を利用して換気・採光をとります。

同時にこの小さな屋根の上に太陽光発電を施し、飲食施設の冷暖房の電力へと還元。

太陽光パネルという人工物が訪れた人の視界には入らないよう、角度等も綿密に計算されています。


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さて、この面白い建物のベースになっているのは「ベーハ小屋」というたばこの乾燥小屋。

実は香川県は「ベーハ小屋」軒の数が全国2位!

全盛期には12000戸の小屋が造られ、ため池と同じくらい数があったと言われています。

ずいぶん取り壊されてしまいましたが、現在も香川県全域に残っていることから地域の原風景のひとつではないかと着目。


(建築家 堀部安嗣さん)

「みなさんにとって大切なもの・原風景に対して建築の姿はどうあるべきかを考えました。

 結果、地元に昔から残っていて、今も現存している民家や小屋の姿にもう一度評価を与えていきたいという思いがあり、このような姿形になりました。

 『単なる昔のことをやっているだけでは?』とか『この時代にはこの時代ならではのワクワクするクリエイションがあるのでは?』という思いを持たれるかもしれない。

 しかしこの建物は昔からあるものをソースにはしているけど、コピーではなく…

 近代以降の素材の良さや技術を取り入れて、過去と現在が共存している建築物を考えています。」



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(建築家 堀部安嗣さん)

「プロジェクトがスタートして5年。

 コロナ禍で現地にも足を運ぶことができず、市民の方とのふれあいも築くことができず歯痒かったです。

 それだけに今日はこれだけのみなさんに興味を持ってもらえて感激しています。

 この5年間は激動の時期でしたが、社会の動きに合わせてプロジェクトを変えていかなければ…というのがなかったのが誇れるところ。

 5年前に考えていたことが今の時代に適合しているのだと実感しています。

 大串に来て『こんな景色みたことないや』というワクワク感をアプローチを歩みながら、若い人にも感じてもらいたいです。

 新鮮な感じがするな、楽しそう、という人間の前向きな気持ちを抱いていただけるよう今後も工夫していきたいと思います。」


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堀部さんの言葉から、新しい大串に出会えるワクワクはもちろん、周囲の自然も共に成長していくというのを伺って、未来の姿を子どもたちに託せる喜びがあると感じた「大串半島活性化プロジェクト」。

また、建築という分野でも注目されるものが完成するとあって、まだここに訪れたことのない人たちも足を運んでくれる予感!

来年春の完成が非常に楽しみです。

引き続き、大串半島が変化していく姿を追いかけてみたいと思いますので、最新情報をお楽しみに♪



大串自然公園

場所/香川県さぬき市小田【地図】

問い合わせ先/087-894-1114(さぬき市商工観光課)

posted by sanuki-asobinin at 13:17| 香川 ☀| Comment(0) | レジャー・アート・写真 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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