「集落支援員」は地域の実情に詳しく、集落への目配りとして地域の現状を把握し、住民同士や市町村との橋渡しを行う役割を担う方のこと。
さぬき市の南部、山あいの中にある多和地区にやってきました。
長尾・塩江方面から四国霊場八十八番札所「大窪寺」に向かう交差点はちょうど地域の中心地。
閉校後に産直・どぶろく工房・天体望遠鏡博物館として賑わう旧多和小学校や公民館などが集まっています。
そんな多和地区で集落支援員として活動する多田さんに会いに多和公民館へ。
多和にお住まいの多田さんですが、週に何日かはこの中でお仕事をされているそう。
多田梨恵さんは多和のご出身。
小学2年までこの地域で過ごしたのちに隣町の長尾へと引っ越ししますが、36年前に出身地の多和へ嫁ぐことに。
(多和地区集落支援員 多田梨恵さん)
「お嫁にきて36年経つ間に多和は大きく変わりました。
以前は狭い道しかなく、バスでくねくねと酔うような山道を移動しなくてはいけなかったです。
いまは道路が整備されて広くなり、車で走りやすくなりましたね。」
そんな多和の課題といえば少子高齢化と過疎化。
10年前には少子化を受けて多和小学校が閉校しました。
が、その後校舎を活用して地域の野菜やお米を販売する産直・多和のお米で仕込むどぶろく工房ができ、地域の人が集まる場所が完成。
コロナ禍でしばらく休業していた時期もありますが、現在は毎週土日にオープン。
今年は久しぶりに秋祭りに県外から地元のみなさんが帰ってきて、同窓会のようにわいわいと楽しんでいたのだそう。
そんな多田さんの集落支援員としての毎日はというと…
地域を巡回して道路や公共施設の点検を行ったり、多和に暮らしている150世帯の現状をヒアリング。
住民から聞こえてきた問題を自治体に連絡して調整を行うのも多田さんのお仕事。
また相談にあたる窓口を設けたり、地域の活性化も活動のひとつだそう。
(多和地区集落支援員 多田梨恵さん)
「多和は高齢化が進んでいて、みなさんちょっとしたことで困っています。
それで集落支援員を配置されたのではと。
ここで活動しながら気づいたのは、意外と交通が不便であること。
観光地の大窪寺もあって訪れる人は多いけど、車を運転できない高齢者がお買い物・お出かけするのが難しい。
また、コロナ禍で高齢者は家に篭りがちになってしまって、元気がなくなってきているのを心配しています。
地域の行事も無くなり交流も無くなってきたので、そういう場所や行事を増やしていきたいと思います。」
少子高齢化・過疎化の進む多和地区ですが、若い家族の移住やUターンも少しずつ増加中。
6人いる小学生たちも毎日元気にスクールバスで通学しているそう。
新しい若いメンバーと一緒になって多和を元気にできたら…と多田さん。
まずは少人数でもいいのでみんなで集まれる体験教室を企画し、交流も情報交換ができる場を作ろうとしています。
また、今年まちを元気にする活動のひとつとして実現したのが旧多和小学校前のコスモス畑!
多田さんが集落支援員になった時、『ここの休耕地に花を植えたいね』という話があったことから、さぬき市の「美しい花のまちづくり推進事業」を活用して誕生しました。
平日でもたくさんの方が写真を撮りに訪れています。
これからも多田さんを中心に、地域のみなさんがアイデアを出し合って変わっていく多和の様子を取材していきたいと思います。
多和パワー集結! 年に一度のお祭りがこの週末開催!!
コロナ禍で中止されていた多和恒例の秋イベント「山のうまいもんまつり」が今年復活!
この週末11月19日(日)9:00〜15:00、「産直結願の郷」で開催されます。
多和の野菜とイノシシの肉を使った「猪汁」や、地元の人が育てるブルーベリーを使った「ブルーベリーパンケーキ」、多和の新米おにぎり、多和米で仕込むどぶろくの試飲など、地域のおいしいものに出会えます。
敷地内にある「天体望遠鏡博物館」からは、特別に天体望遠鏡の工作教室を無料で開催!
そのほかにもイベント盛りだくさんですので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
「山のうまいもんまつり」について詳しくは明日の記事でご紹介します♪
過去の様子はこちら→ 多和で1日遊んじゃいました♪「山のうまいもんまつり」レポート@多和
多和地区集落支援員
お問い合わせ先/087ー894-1112(さぬき市政策課)
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