今年は瀬戸内海が国立公園に指定されて90年の節目。
それを記念したイベントが香川県内で開催されていますが…
中でもさぬき市は瀬戸内海を国立公園に指定するまでに尽力した人物、小西和の生まれたまち!
90周年を機に、その人物像を知るイベントや展示がさまざまな場所で行われています。
まず最初におすすめなのが「さぬき市歴史民俗資料館」で11月24日まで開催中の企画展「瀬戸内海国立公園の父 小西和」展。
展示室には彼の生涯を知ることができるアイテムや資料がぎゆぎゅっと詰まっていますよ♪
展示の見どころや9月8日(日)に行われた展示解説の様子をレポートします!
さぬき市大川町、みろく自然公園内にある「さぬき市歴史民俗資料館」にやってきました。
その一角にある展示室にて、11月24日まで「瀬戸内海国立公園の父 小西和」展が開催されています。
展示されているのは彼の代名詞とも言える著書「瀬戸内海論」をはじめ、文書、写真、絵画、書、旅行用のトランクまで約50点。
フロアをさっと見渡しただけでもかなり多彩な人物だったのではないかと思えるほど、多種多様な資料が並んでいます。
また、小西和の御子息で旧長尾町長だった小西欣也さんが地元の宇佐神社に「海南文庫」という名前で小西和さんの遺品と資料を平成18年に寄贈されたことで、新たに日の目を見る関連資料も!
毎月第2日曜の14:00からはボランティアガイドさんによる展示解説が行われています。
4回目となる9月8日(日)も多くの方が参加されていました。
(さぬき市歴史民俗資料館ボランティアガイド 猪塚さん)
「実は10年前の瀬戸内海国立公園80周年の際にもここで同じような展示を行いました。
明治6年生まれの小西和の人生を第一章〜第五章まで5つのパートに分けてご紹介しています。
彼の人生には4つの起点があります。
北海道農場主として、東京での朝日新聞記者として、国会議員として、そして文化人として。
生涯を通じて、瀬戸内海を中心とした活動やその関係性を知ってほしいと思います。」
第一章は小西和がさぬき市長尾に生まれて、北海道で農場経営を行うまでの期間。
高校は愛媛県の松山中学校(高校)に通っていましたが、その時の日記帳を拝見させていただくと…
字がとっても綺麗!!
松山中で出会った先生から北海道について教えてもらったことから北の大地に興味を持ち、18歳で札幌農学校へ入学。
片道40kmの道のりを歩いて学校に通いながら農場経営をしていたのだとか。
最初は順調だった「小西農場」も水害によって大きな被害を受けてしまい、最終的には農場を引き払って東京へ。
その際にアタックして結婚されたという奥さんの治子さんのお写真もありました!
第二章はジャーナリストとして活躍する小西和の姿を追います。
ここでの見どころはこちらの絵!
小西和さんの御子息さんが10年前にさぬき市に寄贈してくださったもので、今回が初公開!
本人が描いた絵とのことですが、柔らかい筆使いや色の濃淡が美しい一枚です。
絵を描くのが得意だった和はそれを販売して生活の糧にしていたとも言われています。
また、朝日新聞が初めて新聞紙上に天候図を掲載したと言われていますが、そのアイデアも小西和からのものだったそう。
第三章でいよいよ瀬戸内海の研究に携わる小西和の姿が。
有名な著書「瀬戸内海論」。
それは瀬戸内海の地質、海流、水の流れなど自然科学の観点でまとめられた、まるで辞典のような本。
これを通して『瀬戸内海はこんなに素晴らしい!』と広く伝えようとした小西和は、まさに瀬戸内海の”推し活”人とも言えます。
第四章では国会議員となり、いよいよ瀬戸内海の国立公園化へと動く小西和の姿が。
『「瀬戸内海」は外国人を呼び込める資源である』と主張した建議案や、『瀬戸内海を国立公園に』と新聞各紙で連載していた記事などが並びます。
地道で諦めない姿勢が瀬戸内海国立公園の誕生に繋がったことがわかります。
第五章では情熱的に瀬戸内海の推し活を進めてきた小西和の文化人としての一面に触れます。
書や自刻の印など、表現の分野でも長けていた彼の才能を楽しめました。
実はJR高徳線のルートを造田方面までひっぱってきたのも彼の功績とのことで驚きました!
瀬戸内海の魅力を多くの方に伝えるキーマン、小西和。
この展示会を通して、生涯多くのチャレンジを経験し、自らの情熱と感性で生涯を彩り豊かなものにした人物だったということがよくわかりました。
またさぬき市長尾に関連した展示も多く、これまで以上に身近に感じられました。
瀬戸内海国立公園90周年の機会に小西和のことを知り、彼の目線で瀬戸内海を楽しんでみてはいかがでしょうか?
次回展示解説日は…
10月13日(日)14:00〜14:30
最後の展示解説が行われますのでお見逃しなく!
もっと小西和の生涯について知りたい方へのおすすめ本!
(写真左からさぬき市生涯学習課の学芸員 山本さん、香川大学瀬戸内圏研究センター センター長の多田さん)
さぬき市生涯学習課の学芸員 山本さんが書かれた本「瀬戸内海国立公園の父 小西和」が発刊!
香川大学瀬戸内圏研究センターの多田さんの呼びかけをきっかけに、小西和と瀬戸内海との絡みを主として書かれた伝記です。
完成までに3年ほどを費やしたそう!
現在アマゾンにて販売中ですので要チェック♪
販売サイトはこちら(Amazonに飛びます)
瀬戸内海国立公園指定90周年記念「瀬戸内海国立公園の父 小西和」展 ※会期延長になりました!
開催日時/開催中〜10月20日(日)11月24日(日)9:00〜17:00(最終入館16:30)
場所/さぬき市歴史民俗資料館(香川県さぬき市大川町 みろく自然公園内)
観覧料/無料(入館料が必要です)
休館日/水曜
お問い合わせ先/0879ー43−6401
※今後の展示解説日/10月13日(日)14:00〜14:30
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