11月28日〜12月1日までで香川県内で開催されたオープンファクトリーイベント「CRASSO(クラッソ)2024」。
さぬき市内でもさまざまなものづくりの現場でこの期間だけの工場見学や体験を楽しめました。
我々も大川町にある徳武産業株式会社さんへ工場見学に行ってきました!
徳武産業さんといえば「足元から人生を幸せに」をコンセプトに、足や歩行に悩みを持つ方のためのケアシューズ「あゆみシューズ」でおなじみ。
その人の足と生活にフィットした靴ができていく様子を見学させていただきましたよ〜!!
さぬき市大川町、のどかな田園風景の中にある「徳武産業株式会社」の本社にやってきました。
創業して65年以上。
平成7年より足や歩行に悩む方のための「あゆみシューズ」を商品化して以来、高齢化社会の現代にとってなくてはならない企業となっています。
本社の石碑には十河会長の座右の銘「念ずれば花ひらく」が刻まれています。
障害者や高齢者のための靴を作ろうと決めたものの非常に苦労し、2年間で500名の方の足や靴の症状を見て開発してきた中で大切にしてきた言葉。
「行き詰まっても困っている方に早く届けたい」という思いで作り上げた十河さんの気持ちが現れており、出社時にこの前で手を合わす社員の方もいらっしゃるのだとか。
そんな徳武産業さんが、もっとみなさんに生産の現場を見てもらうと同時に香川のものづくりを盛り上げたいと「CRASSO2024」に参加。
工場見学とワークショップを開催されるとのことで、さっそく行ってみましょう〜!!
本社の隣には木々に囲まれた落ち着く建物が。
こちらはあゆみシューズを購入できる「あゆみ」ショップ本店。
中に入ってみると…
たくさんのあゆみシューズがずらり!!!
そしてじっくりとフィッティングされているお客様がいらっしゃいました。
ここに来ればあゆみシューズの全商品を手に取れるとあって、わざわざ遠くから足を運ばれる方も多いのだとか。
足の大きさを測るところからはじまり、自分の足の悩みやサイズにあった靴を選ぶことができます。
ちなみにあゆみシューズはもともと幅広でゆったりめ。
靴のサイズと共に幅(標準・やや幅広・より幅広)を選べるので、日本人には履きやすい仕様になっています。
実際に触ってみるとしっかりしているだけでなく、使いやすいことが一目でわかります。
こちらのシューズには足を入れるところにも工夫があります。
つま先を入れやすいように左右2枚重ねの両開きになっていて、布が中に巻き込まないようになっています!
「ちょっと持ってみてください♪」と靴を持たせていただくと、驚くほど軽い!!!
足を持ち上げるのも楽なので、これだと明るい気分でお出かけしたくなります!
高齢者の方だとゴム底の厚さが気になるところ。
歩いていて躓いてしまわないか心配ですが、あゆみシューズはつま先が少し上がっていて、さりげなく靴底が台形なので安定感もバッチリ。
転びにくい仕様になっています。
このほか、部分的なカスタマイズとしてのパーツオーダーや、ドイツのマイスターによる相談会も開催。
いつまでも自分の生きたいところへ自分の足で行くことができる。
そんな未来を描いてくれるシューズです。

続いては「CRASSO2024」の工場見学へレッツゴ〜!!!
先ほどの「あゆみ」ショップの横道を通って物流センターへ!
徳武産業株式会社では商品の99%を中国で量産されていますが、足の悩みによって部分的なカスタマイズを希望される方には「パーツオーダー」という形でニーズに応えています。
足のむくみ、左右で足の長さが違う、既製の靴では履きにくいなど、さまざまな要望に応じたひとつだけの靴をネットで受付。
こちらの物流センターで生産しています。
物流センターといってもオフィスのような雰囲気。
その中に特殊機械やミシンが設置されています。
用途、色、サイズ、靴底の高さ、底素材、かかとの高さ、ベルトの仕様など、細かなオーダーができるのが特徴で、そこから生み出される靴の型は568種類、資材の量は5000種以上に!
多種多様なニーズの中から生まれた1足のオーダーシューズを完成させるのにかかるのは…
なんとたったの3日!
その秘密は…?!
まずはオーダーが入ってすぐ作業工程表が完成。
その日のうちに裁断データが入っている自動裁断機で該当の形に布をカット!
これが登場するまでは必要な金型を取り出して裁断をおこなっていたため、取り違えがあったり型の重さでスタッフさんが体を痛めたりといったこともあったそう。
こちらに変わってからボタンひとつで作業が可能に!
ものの数秒で片足分のパーツが裁断できてしまいました!
全て自動でできるためボタンを押した後は別の作業ができてとっても効率的。
パーツオーダーは入退院やお出かけの日が決まっている方からの急ぎの注文が多いため、できるだけ最短で仕上がるようにしています。
以前は2週間〜1ヶ月ほどかかっていた作業を一つずつ見直し、やることを明確化することでここまで早く仕上げることができるようになったのだそう。
続いてはカットした生地を人のかかとの形に整形します。
専用機械に生地を挟み込み、まずは120℃に温めて柔らかくし、続いてー10℃に冷やし固めてかかとを作ります!
ものの20秒ほどで綺麗なかかとの形が完成!
続いては「つりこみ」作業。
機械を使って底面に布を引っ張って被せ、糊で底に貼り付けていきます。
サイドの部分のみ人の手でないとはめ込むことができないので、そこだけ人が作業を行います。
わたしも実際につりこみ作業をさせていただきました。
つまめて叩ける特殊な道具「ワニ」を使って布を引っ張り、糊のついた底にくっつけます。
美しい靴の側面を作るためには意外と引っ張る力が必要!
つりこみが完了すれば靴らしい形が完成!!
最後に底を貼ったらできあがり♪
冬場にはガラス繊維を埋め込んだ滑りにくい底剤も人気。
東北や北海道からのオーダーはこういったニーズも多いそう。
スピーディーな流れの中にも外せない靴作りのこだわりがあり、3日仕上げでもお客さんが満足できるアイテムが出来上がる理由がよくわかりました。
最後に「CRASSO2024」のワークショップも参加させていただきました!
ティッシュケースの縫製を体験しますよ〜!!
直線縫いするだけです♪と言われても、使い慣れないミシンはドキドキ…
さあうまく縫えるのでしょうかー(棒読み)
おおっ、布が勝手に進むっ!!!
手を添えているうちに綺麗な直線縫いができてしまいます。
何度触っても慣れない業務用ミシンですが、プロになった気分で作業ができるのでちょっと得意げ。笑
なんとかお手伝いいただき、ミニティッシュカバーが完成しました!!
かわいいあゆみシューズのマーク入り。
素敵なお土産もできて今年も大満足の「CRASSO2024」工場見学でした。
徳武産業株式会社のみなさん、ありがとうございました!!!

工場見学の前に、少し敷地内もご案内いただきました。
本社工場には会長・副会長が社員さんのために作られた公園が!!
お昼休憩やおやつ休憩の時にみなさんが自由に使えるのはもちろん、ここで打ち合わせやレクリエーションのバーベキューを行うことがあるそう。
1年通して様々な花木を楽しめる癒しのスペースです。
また、会社の裏にはお手洗いと時計が。
社員さんや運送業者の方が使用できるのはもちろん、この周辺を通る地域の方や近くのさぬき南中学校に通う子どもたちも使うことができます。
物流センター横には2020年に建てられた防災センターがありました。
南海トラフ地震が起こってしまった際でも対応できる発電機、備蓄品、炊き出し準備、災害対策のお水を確保してあるのだそう。
このほか、社員のみなさんで地域ボランティアの活動として積極的にゴミ拾いに参加したり、近隣高齢者施設へのあゆみシューズモニターのお礼としての清掃活動にも出向かれているのだとか。
工場見学を通じて、ものづくりへの情熱だけではなく、地域と共に生きていこうとする気持ちをたっぷりと感じられて胸が熱くなりました。
こういった会社がさぬき市にあることを誇りに思います!
「CRASSO2024」が終わっても本社にある「あゆみショップ」は常に利用できます。
一度足を運んで、徳武産業のものづくりから生まれたシューズたちを手に取ってみてはいかがでしょうか?
徳武産業
場所/香川県さぬき市大川町富田西3007
お問い合わせ先/0879-43-2167
ホームページ https://www.tokutake.co.jp/
公式Instagram https://www.instagram.com/ayumishoes.tokutake/
通販サイト https://store.tokutake.co.jp/?ref=offcial&_ga=2.97479196.2002462192.1734937504-595992785.1734937504
「あゆみ」ショップ本店(徳武産業株式会社 本社敷地内)
営業時間/10:00〜17:00
定休日/日・祝・年末年始
CRASSO 2024
開催日時/2024年11月28日(木)〜12月1日(日)
場所/香川県東かがわ市・さぬき市・三木町・高松市・小豆島・
総合案内/讃州井筒屋敷
公式サイトへ https://crasso-setouchi.jp/