神奈川県からさぬき市大川町南川に移住し、日々作品を描き続ける新進気鋭のイラストレーター「chanyama」さん。
ちょっぴりワルくてパンチの効いた作品は国内外でもファンが多く、一度見たら忘れられないパワーを感じます。
彼が描く作品と南川生活とのギャップもなかなかに面白いもの。
そんな日常をも隠すことなく発信する「chanyama」さん宅を訪問。
自然たっぷりの南川地区で生まれる作品についてお話をお聞きしました。
夏はホタルの乱舞、冬は特産品の自然薯の風景が広がるさぬき市大川町南川。
ここで奥さんと5歳のお子さん、愛犬と暮らしながら、イラストレーターとして活躍しているchanyamaさん。
2022年に移住してきたという現在のおうちは自然薯畑と山に囲まれた古民家。
制作環境にもぴったりの静かな場所を探していた中、この場所に訪れた途端「ここにする!」と即決したそう。
綺麗にリフォームされたリビングの真ん中には囲炉裏があるのも面白く、訪れた日には薪ストーブをたいて出迎えてくださいました。
実はchanyamaさんも奥さんの礼美さんも神奈川県出身。
アルバイト先で知り合い、結婚後に奥さんの礼美さんが先に香川県豊島に移住。
その後、ふたりで高松市に4年ほど暮らした後のさぬき市ぐらしです。
南川での毎日は「大川町のほうが自然がいっぱいあるし、近所の人たちも世話をしてくれて、この場所が好き」と大満足の様子。
朝起きて、ipadでラフスケッチをいくつか仕上げたらお散歩へ。
仕事のスケジュールにあわせて作品を仕上げながら、時に奥さんと家庭菜園に勤しみ、自由に働いて、食べて、遊んで、寝る。
「今までの生活の中で、南川で過ごす今が1番楽しい」と笑顔。
ここに辿り着くまでにはイラストレーターとしても数々の苦難があったようです。
イラストレーターとして花開くまでの難しさ
(chanyamaさんの作品)
小さい頃から漫画の模写を楽しんでいたというchanyamaさん。
高校時代にはミュージシャンのPVの制作に興味を持ち、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科に進学。
グラフィックデザインを学びながらもやはり自らの手で描くことが好きだと確信し、再びキャラクターや漫画を描く日々に。
卒業後は流れるままにデザイン会社やCG制作会社に就職するも、昼夜問わない忙しさに追われたこともあり32歳で退職。
ここからフリーのイラストレーターとしての人生がスタートします。
しかし思うように結果がついてこないまま、ただ時間が過ぎていく毎日…
そんな中、香川県豊島へ住み込みで移住していた礼美さんが神奈川県に帰省。
彼女の変化に圧倒されるとともに、香川に移住するという選択肢が生まれました。
(chanyamaさん)
「奥さんが『香川すごい良かった!』とキラキラしながら豊島から帰ってきたんです。
瀬戸内国際芸術祭を開催しているだけあって芸術に寛容な場所だと感じていたし、香川で仕事ができるかもしれない!と直感で思って『香川に行っちゃおう!』と移住を決めました。」
(山下礼美さん)
「わたしはアートを見るのが好きで豊島に行ったんですけど、香川では自分の好きなことで仕事をしている人が多いと感じたんです。
東京ではどこかに所属して働くって言うイメージが多かったけど、こっちでは副業でも自分の生業を持ってる人がいて、香川県のそんなところに惹かれました。」
移住当初は高松市に住み、興味があった農業の手伝いをしに農家さんへ通いながら絵の仕事を続けていたchanyamaさん。
農家さんを通じてだんだんと知り合いが増え、地元音楽イベントのイラストやゲストハウスに絵を描くといった依頼も入るように。
コロナ禍にはネームバリューを上げるためにクラウドファンディングをスタート。
また、新しいアートのデジタルマーケット「NFT」にも参加。
誰もがフラットにチャレンジできるとともに、仲間たちとともにお互いの作品を応援しあえたことで多くの方に知ってもらえるきっかけになったそう。
今でも「NFT」を通じて知り合った絵描き仲間とは県外でイベントを開催するなど、そのコミュニティが生み出す恩恵は大きかったと話してくださいました。
(アヒル専門店「Ducks」さんが手がけた京都のお土産八ツ橋のパッケージイラスト)
(アヒル専門店「Ducks」さんが手がけたクラフトビール缶のイラスト)
デッサンも描写も素晴らしく、もともとしっかり描き込む絵を描いていたchanyamaさん。
Instagramを覗いてみると、近年は『POPでかわいい。でもちょっぴりバイオレンス』なイラストが増えています。
(chanyamaさん)
「こっちで知り合った方に『POPで毒っけのあるほうが合ってるよ』と言われて絵柄をガラリと変えてみたんです。
描き始めたら同じくらい楽しくて!
需要があるものと自分のスタイルがハマるものをずっと探していたんですが、それが今の作品。
もともと昔の不良文化とかヤンキーが好きで、そういうのが毒として出たらいいなって。」
どんなオーダーがやってきても喜んで描いてくれるchanyamaさん。
『自分以外の人のアイデアを形にするのが面白いし、自分の色を入れつつ満足してもらえるものを作りたい』と挑戦するのも嬉しそう。
ロゴの制作もipadでささっと制作してしまうchanyamaさんですが、1つの作品を作り上げるのに一番時間をかけるのはラフスケッチ。
それが決まれば「細かいところまでいかに綺麗に仕上げられるか」を心がけて完成へと突き進みます。
拡大しないと見えないような小さな点や細かい線の先。
そこまで整えていく様子にプロならではの仕事を感じました。
くっきりと強く描かれた主線やカラーリングから、「バイオレンスな人生を送っている人かも知れない」と勝手に想像してしまうのはやむなし。
ですが、実際は温かみのある古民家でほっこりとした南川生活を楽しんでいるというご本人。
最近では公式Instagramにそんな大川町での生活の様子や家族のことをまるまるアップされています。
「こんな絵を描いているけど普段こんなところでこんな生活をしているんだとか、素のままを見て共感してもらえたら」とあえて見せているのだそう。
イラストとのギャップに驚く方もいるそうですが、ゆったりとした時間の中で作業を進めている姿を眺めていると、どちらもchanyamaさんの自然の姿だと感じました。
これからの作品も楽しみです。
(昨年台湾で行った4日間のPOP UP在廊の様子)
最近では台湾でのPOP UPに地元横浜でのグループ展など、さぬき市での制作だけに止まらず国内外での活動にも精力的なchanyamaさん。
今後のスケジュールや出店情報などは公式Instagramでチェックできますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
chanyama
お問い合わせ先/antihero0202@ymobile.ne.jp
※現在Instagramでのお問い合わせは受付停止しています