さぬき市津田町北山地区の「猿子島」と「鷹島」が舞台の民話『猿タカ合戦物語』がアニメーションに!
一般社団法人 日本昔ばなし協会と日本財団が取り組む「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環として制作され、現在Youtubeで公開されています。
と同時にさぬき市も「海ノ民話のまち」として認定されました。
世代を問わず楽しめるアニメ『猿タカ合戦物語』が改めて教えてくれることとは?
制作の監督を務められた沼田心之助さんにお話をお聞きしました。
2018年から一般社団法人 日本昔ばなし協会と日本財団が取り組み、現在までに92のエリアで語り継いできた作品がアニメ化されています。
その中のひとつとして、さぬき市津田町北山に残る昔話『猿タカ合戦物語』が選ばれ、アニメーションとして改めて広く楽しめる作品となりました。
2025年1月27日にはこの作品を手がけたアニメ監督の沼田心之助さんがさぬき市を表敬訪問。
完成報告とともに、さぬき市を「海ノ民話のまち」とする認定証が大山市長に手渡されました。
また、2月2日には津田小学校での上映会と津田の海にまつわる話を子どもたちに伝えるフィールドワークも開催。
地元の民話がアニメになることで、子どもたちが改めて海や島のことを身近に感じられるきっかけづくりになったようです。
『猿タカ合戦物語』の舞台は津田町北山地区から沖を眺めるとすぐに見える2つの島、猿子島と鷹島。
登場するのは猿子島に住むサルと鷹島に住むタカ。
島や海の魚を食べ尽くした荒々しいタカたちが、豊かな自然と食材に恵まれた隣の猿小島を狙いはじめることでサルとの壮絶な戦いが始まります。
空を飛ぶタカにはかなわないサルたち。
結果、猿子島の風景も猿たちの日常も変わってしまう、というもの。
(一般社団法人日本昔ばなし協会 代表理事・アニメ監督 沼田心之助さん)
この作品を制作するにあたって監督の沼田さんは津田町にもロケハンに訪れ、地元の方や漁師さんに話を聞いて参考にされたそう。
民話と現代とでは穫れる魚が違うなど状況が変化していることもあるため、常にその土地のみなさんと相談しながらアニメを作り上げているのだとか。
(提供:日本昔ばなし協会・日本財団 海と日本プロジェクト)
アニメ『猿タカ合戦物語』は5分30秒という短編。
輪郭線をあえて描かず、色を工夫して使いながら立体的に表現することで優しい雰囲気のアニメーションに仕上げられています。
かと思えば、タカとの戦いのシーンでは劇画タッチに!
ギャップを楽しみつつ最後まで飽きずに見られる作品となっています。
また、放送されていたアニメ「まんが日本昔ばなし」にどことなく似ていますが…
それもそのはず、「まんが日本昔ばなし」の制作会社に勤めていた沼田さんのお父さまが、その社長の意思を引き継いで会社を立ち上げ「海ノ民話のまちプロジェクト」を行っているのだとか。
アニメーターも作家も当時からお付き合いのある方がされているため、当時と変わらない雰囲気で民話をアニメ化できているそう。
大人にとってはちょっぴり懐かしく感じるシリーズでもあります。
(一般社団法人日本昔ばなし協会 代表理事・アニメ監督 沼田心之助さん)
「東日本大震災をきっかけに、『海が怖い』とか『海が汚れている』といったネガティブなイメージを子どもたちが持ってしまいました。
実際には海は恵みの場所であり、いろんな遊びを楽しめたりと良い部分もあります。
もっと海に興味を持ってもらったり、海を正しく恐れるということに繋がればと始まったのがこのプロジェクト。
『猿タカ合戦物語』を観た方には海のことを考えてもらえたらと思います。」
『猿タカ合戦物語』では、猿子島と鷹島を見に行きたくなるのはもちろん、生態系を守ることの大切さや失われた自然を取り戻すことの大変さも教えてくれます。
現在Youtubeの「海ノ民話のまちプロジェクト」チャンネルでも公開されていますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
『猿タカ合戦物語』動画はこちら→ https://uminominwa.jp/animation/85/
日本財団「海ノ民話のまちプロジェクト」
公式サイト https://uminominwa.jp/