「さぬき映画祭第7回シナリオコンクール」で大賞を受賞し、昨年4月21日より津田町でのロケが行われていた映画「潮待ち模様」。
津田生まれ・育ちの三好冬馬監督が描くのは、昔の面影や賑わいがなくなりつつある津田港を中心に繰り広げられるヒューマン・ラブストーリー。
<ストーリー>
コロナ禍で仕事を失い、宿なしになってしまった青年が流れ着いたのは寂れた漁港。
車中泊していたところを近くに住む外国人技能実習生に発見されて死体に間違われ…というところから物語がはじまります。
漁師として前を向いて進んで行く青年と、青年の師匠である老いた漁師の長い長い片思い。
小さなまちで繰り広げられるヒューマン・ラブストーリーは、まるで三好監督が小さな頃に心惹かれた映画「小さな恋のものがたり」のような暖かさをもっています。
今年2月の「さぬき映画祭」を目標に制作が進められていたこの作品。
感想も概ね良くて、色が綺麗、音が綺麗と言ってもらえたり、60分でまとめてあるので逆に風景をもっとじっくり見たかったという意見もありました。
地元の方からは普段見てる景色が映画だとこういうふうになるんだと言っていただけましたね。」
日常の津田の路地裏や海の美しさが際立つ作品となった「潮待ち模様」。
その一部はYoutube「潮待ち模様チャンネル」で見ることができます。
三好さん曰く、いかに映像として綺麗になるかを考えてアングルや構図を決め、色調整を施したそう。
撮影ではあえてスタビライザーと手持ちカメラでカメラを自由自在に動かし、演技未経験である役者さんの姿をあらゆる角度からすくい取るように映して感情表現しています。
ロケの中で一番大変だったことのは「天気」と「音」。
ほとんど屋外ロケのため雨が降ると撮影がストップしてしまったり、飛行機が上空を飛ぶ際には編集で音を消したり…
特にラストに設定していた「津田港わくわくフェスティバル」では実際のイベントが悪天候のため中止に。
急遽地元の方やボランティアを募って模擬イベントを実施するまでになりました。
(映画「潮待ち模様」三好冬馬監督)
「もともと『地元で手作り感のあるイベント』という趣旨だったので、逆にあのくらいの規模でよかったのかなって思いました。
そのために本当にたくさんの人が集まってくれたことには感動しましたし感謝です。
全部思い出に残っているけど一番よかったなと思うのはそのラストシーン。
津田のみなさんがいてくれたから録れました。
さぬき映画祭の60分バージョンではあまり入れられなかったので、地元で披露する90分バージョンではたくさん入れたいと思います。」
また、津田港の活性化・漁師の後継問題といった地域の課題も盛り込んだ作品になった「潮待ち模様」。
ロケの合間にも地元の漁師さんと会話する機会がたくさんあったそう。
(映画「潮待ち模様」三好冬馬監督)
「昔の津田の話や遠洋漁業が盛んだった頃の話とかをたくさん聞くことができました。
また、実際に津田に移住して新たに漁師になった青年 上田さんがモデルになってる役もあって。
普段の彼が頑張ってる姿も兼ね合わさって、いまの津田の現状を映画の中に反映させられたと思っています。」
また、三好監督が一番力をいれたシーンは…
(映画「潮待ち模様」三好冬馬監督)
「実体験じゃないけど、港にやってきた少年が父親と決別するシーンですね。
予告編にも出してますが、一番気に入ってます。
この絵を見るだけでこの映画を見てもらえるっていう自信もありました。」
そして物語は津田の海のようにゆらぎながら幼い頃の片思いが蘇り、昇華されていきます。
その様子はまさに人生そのもので、それこそが三好監督がこの映画で伝えたかったこと。
(映画「潮待ち模様」三好冬馬監督)
「人生には潮が満ちる時もあれば、引くときもある。
エンディングにそんなセリフを入れてみましたが、映像として腑に落ちるものになったと思います。」
映画「潮待ち模様」ふるさと上映会が決定!
「さぬき映画祭」での初お披露目が終わっても納得のいかない場所を修正しているという三好監督。
今後は国内のコンペティションや映画祭に向けての準備を進めていくそう。
そんな中、映画制作に協力してくださった地元のみなさん向けに90分バージョンの「潮待ち模様 ふるさと上映会」が決定しました!!
(映画「潮待ち模様」三好冬馬監督)
「映画はひとりでは作れないと今回本当に身に染みてわかりました。
地元の方もそれ以外の大勢の方も、みなさんが関わってくれてできた映画だと思う。
少しでも関わっている人には是非見てほしいし、関わってなくても津田で撮影してる様子を見たという方にも、どんな映画になったのかぜひ見ていただきたいです。
今後は映画のロケ地にちなんだパンフレットも作ろうとしていますので、第2の『セカチュー』みたいにロケ地巡りを楽しんでくれたら思っています。」
映画「潮待ち模様」ふるさと上映会は、3月16日(日)10:00〜、14:00〜、19:00〜の3回、津田公民館にて開催されます。
初回は9:45からさぬき市の大山市長が来られて挨拶をされる予定。
観覧無料ですが津田の公民館でしか配布しない整理券が必要です。
映画「潮待ち模様」ふるさと上映会
開催日時/2025年3月16日(日)
10:00〜(9:45より大山市長ご挨拶)/14:00〜/19:00〜
場所/津田公民館大ホール(津田小学校向かい)
参加費/無料(津田公民館で配布中の入場整理券が必要です)
お問い合わせ先/090-8975-4335(映画「潮待ち模様」製作委員会)
映画「潮待ち模様」
公式サイト https://shiomachi-moyou.com
公式Youtube https://www.youtube.com/channel/UClv3sgZziLnAeo_EslKdHfg