『自分の”好き”を持ち寄って楽しもう』
そんなテーマで、各々がカメラを手に県内外を走りまわる写真の達人たちの写真展
「第26回SIC写真展」が6月8日(日)まで「21世紀館さんがわ」にて開催中です。
じっくり眺めてみると撮影者の人となりが。そしてタイトルに込められたその瞬間のドラマが見えてきます。
今年は、今ではもう見ることができなくなったさぬき市の風景も企画展として開催していますのでぜひご覧になってみてくださいね。
SICメンバーのみなさんに今回展示されている写真についてお話しをお聞きしてきました。
「第26回SIC写真展」が開催されている「21世紀館さんがわ」にやってきました。
平日にも関わらず多くの人がひっきりなしに訪れていて会場は終始賑やか。ファンが多い写真展であることが伺えます。
写真展を開催しているのは月に1度、長尾公民館で活動を行なっている「SIC(さぬきインターネットクラブ)」。
それぞれに撮影した自分好みの作品を持ち寄って、お茶を飲みながら「これはどこで撮影したの?」「どんなレンズを使ってる?」といった情報交換を楽しんでいる大人の部活動です。
今年も7名のメンバーが撮影した28点の作品と、企画展として柏原宏さんが撮影された「さぬき市の昔」の写真が18点展示されています。
入り口で出迎えてくれるのはSIC初期メンバーである柏原宏さんと村尾彰さんの作品。
柏原さんの「厳冬の花」は愛媛県寒風山の冬登山で撮影されたもの。
そこに行かなければ見られない、美しい風景です。
柏原さんは地元の川や山で夜明けの写真を多く撮影されているのをこれまでにも拝見してきました。
今回は日本画のような朝の風景写真も!(実は三木町の山です)
近年山の整備が滞り、昔のような景色が撮れなくなってきたという柏原さん。
そんな中、写真仲間と見つけた絶好のスポットで撮影された一枚です。
変わって、村尾さんの「庭石のステージ」はまさにスポットライトを浴びているかのような写真。
実は栗林公園のライトアップ時に撮影されたと聞いてびっくり!
冷え込んだ水とスポットライトの熱の温度差が幻想的なステージを作り上げています。
村尾さんは景色の中の時間・温度・奇跡的な現象を捉える写真家。
こちらの「導かれて」という作品は高松市藤尾神社の参道で撮影された雨上がりの様子です。
手前の光の鮮明さと、鎮守の森のような奥の景色のギャップが一枚に収められています。
タイトルや写真から、その瞬間のストーリーが気になってしまうのは安西伸二さんの作品。
こちらは「ようこそ さぬき路」という作品ですが、ポスト以外はモノクロに。
『ポストが見てきた遍路道の歴史』がテーマなのでポストだけ色をつけているのだとか!
こちらは高松市屋島山上やしまーるでの夕暮れを撮影した「やしま ◯(まる)」。
この日、夕焼けにカメラを向ける若者たちを撮影していた安西さん。
景色を堪能した人たちの『屋島にまた来たいな』という気持ちをタイトルで表現されたそう。
かつて登山を楽しんでいた影響でつい自然を撮影しにいきたくなるという後藤多美子さんの作品は、普段気づかない風景や瞬間を捉えています。
さぬき市長尾にある石神池の静寂を捉えた写真(写真一番右)は、身近にこんな美しい場所があったのか!と驚くほど。
「薄氷の美」では目線を寄せて水たまりが凍った様子を撮影していますが、実は風紋がそのまま凍っていることに驚きます。
冬になったらじっくり水たまりが凍った様子を眺めてみよう…と思うほど。
雫を捉える達人、藤原夏子さんは今回もマクロレンズで捉えた作品が。
蜘蛛の巣の水滴の雫がキラキラ光る様子に魅了され、いまでは苔についた雫をうまく撮りたいと日々撮影されている藤原さん。
花を撮影していると虫もフレームに入ってくることがあることから、今回は虫たちが主役の写真もあります。
雫をじっくり見てみると、中に向こう側に咲いている花が映り込んでいます。
そこまで想定してアングルを考えて撮影しているそう!
動くものが好きという柴田好政さんは、今年さぬき市で開催された「よさこい三昧」での演舞の様子や…
池に住み着いた白鳥の子どもが孵った様子を捉えています。
この子が生まれるまで池に通い続けたのだとか。
なかなか見ることができない生まれたばかりの白鳥のヒナはとってもキュート!
柴田好政さんの奥さん 柴田玲子さんは今年上京した際の東京の風景を撮影。
その際になかなか出会えない噂のストリートカートに偶然出会ったそうで、うまく信号待ちにかかり撮影できたのよ〜!というお話は自分も興奮して聞いてしまいました!
続いて奥の展示室で開催されている柏原宏さんの「さぬき市の昔を偲ぶ」企画展へ。
入った途端に「わ〜懐かしい〜!!」という来場者の方も。
現在は開催されていない「長尾寺三味線餅つき」や「力餅運搬競技」、リニューアル前の大串自然公園。
また施設自体は変わっていないものの、周辺の花の景色ががらりと変わってしまった場所の写真も。
「ここって昔こんな風景だったの?」とその変わり様に驚きます。
写真を眺めつつ思い出を語り合うみなさんの姿もほのぼのでした。
個人的には昔の亀鶴公園の風景がとっても印象的でした。
今はないハナショウブの色や品種が咲いていたこと、孔雀がいた時期があったこと、花筏を浮かべていたことなどを教えていただきました。
そしてこの、等間隔に並んだサギ。笑
「これ置物?」とみなさんに言われていましたが、リアルなサギなんだそうです。
見れば見るほどツボにはまっていく一枚でした!
SICメンバー皆さんの「好き」から、新しい地元の良さや写真の楽しさをたくさん教えていただくことができた今回の写真展。
期間中は作品の見どころも解説してくださいますので、ぜひ会場でお声がけしてみてくださいね。
「第26回SIC写真展」は明日6月8日(日)までの開催です!
第26回 SIC写真展
会場/21世紀館さんがわ【地図】
開催期間/2025年6月3日(火)〜6月8日(日)
開場時間/9:00〜17:00、最終日は9:00〜16:00
お問合せ先/0879-43-0780(21世紀館さんがわ)
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