さぬき市大川町の山裾にある築100年の一棟貸しの宿&レンタルスペース「はちどり」で、秋らしい企画展がはじまっています。
書と植物と漆を手がける3人の作家さんによる3人展「粧おうーよそおうー」。
10月21日(火)まで開催中です。
秋の季語「山粧おう」にちなんで名付けられたこの展覧会。
長い歴史を持つそれぞれの世界の『枠』に囚われない書や漆。
それを鮮やかに彩る色彩の植物たち。
見る人を解放させてくれるような表現を楽しみに、足を運んでみませんか?
さぬき市大川町 長尾街道から細い山道に入り、ずんずん進んだ先にたどり着く一軒の古民家。
一棟貸しのお宿&レンタルスペース「ハチドリ」。
山に囲まれた静かな場所にあるこの建物は、家を建てる達人が思うがままに築100年の古民家をリノベーションした遊び心溢れる場所で、2021年冬頃からレンタルスペースとして稼働しています。
土間に板張りのリビング、土壁の寝室「土の間」、壁・床全て京都の職人さんが仕立てた和紙を貼った離れ「和紙の間」などのユニークなスペースがあり、枠にとらわれない作家さんがギャラリーとしても利用されています。
どの作家さんも制作のルールに囚われない、自由で唯一無二のスタイルで作品を制作。
そのため、3人の作品が交わり合う場所はお互いの作品が自然と馴染んでいるのも見どころです。
書の作家 青陽さんは、顔料と膠(にかわ・画材の一部)を混ぜたものや墨を使い、大きな和紙に手が動くまま、体が動くままに描いていくアーティスト。
一度塗った画材を乾かし、また上から重ねて乾かす。
この繰り返しが自然にできた隆起や経年劣化を思わせる表情を作り上げていきます。
時には破いたり焼いたりと、書のイメージをがらりと変えてくれます。
こちらはベンガラ色を塗った上から柿渋を多めに落とし、重ねた作品。面白いことに柿渋は乾燥すると表面がこのようにひび割れるのだとか。この変化や年数が経って錆びてしまったようなこの表情が好きなのだそう。
長く書の世界で生きてこられた青陽さんですが、『意図しているもの』でできている習字に窮屈さを感じ、2022年から『意図しないように意図する』制作スタイルを続けています。
さらに面白いのは、これらの作品はもともと大きな一枚の絵で、その一部を切り取ったものだということ。できあがった作品のなかでもわざとらしいものはカットし、ここだ、という場所をトリミングするため、描き始めた段階では作品のサイズが全く決まっていないのだとか。
離れには青陽さんご自身がお気に入りという作品も展示されていますので、ぜひご注目を!
漆の作家 山田果林さんは、そんな青陽さんの作品を鑑賞した際に共通点を感じていたそう。
自然の中の時間の流れ、隆起するもの、流れ出すもの。作品を見せたい部分が似ていると感じたことから、一緒に展覧会をやって見たかったのだとか。
壁掛けの丸い漆の器、さまざまな形の花器、お菓子を乗せたくなる綺麗な色合いの小皿。漆器というと、表面が美しく整えられたものをよく見かけますが、果林さんの器の中にはざらりとした土のような質感のものも。
(漆作家 山田果林さん)
「やはり漆器を毎日使って欲しいんです。ハレのものは2度、3度拭きしないと手垢などが残っています。逆にざらっとしたものは使い勝手が良いので、こういった仕上げにしています」
こちらは錆漆を使った花器。なんと流木に漆を塗って作られています。指や刷毛、スポンジを使って少しずつ漆をつけることで、まるで自然の中にある木のような表情が出てくるのだそう。
どちらかというとアースカラーに近い青陽さんと果林さんの作品。ここにもう少し色味を加えたいと招かれた3人目の作家さんが茎さん。
茎さんは高松市で生花店をされていますが、ブライダルなどの装飾も手がけています。
コスモス畑を思わせるディスプレイや緑豊かな苔山の中には果林さんの漆器。なんだか器もとっても楽しそう。
秋の枝ものが色を添える、離れの床に展示されたこちらの作品は、全ての素材が自然からやってきたことを感じさせられます。
中には苔のプリザーブドフラワーを使ったこんなキャラクターたちも。
書・漆器・苔のキャラクターはいずれの購入することができますので、お気に入りが見つかったら作家さんにお声がけしてみてくださいね。
秋の里山から聞こえてくる鳥や虫の声、夕暮れの匂い。
自然の中で3人の作家さんの作品に向き合う空間がなんとも心地よい「粧おうーよそおうー」展。
「はちどり」の心地よさとともに楽しんでみてはいかがでしょうか?
青陽・茎・山田果林 3人展『粧おう』
開催日時/2025年10月17日(金)〜10月21日(火)11:00〜16:00(最終日〜15:00)
会場/はちどり(香川県さぬき市大川町田面256)
場所/香川県さぬき市大川町田面256
お問い合わせ先/080-3921-3506


