さぬき市末の日内山霊芝寺にて「香川沙織 仏画展 〜静寂と対話〜」が始まっています。
お寺のご開帳の時にまじまじとお顔を拝見することができない仏様。
この展覧会では心が緩むお香の香りの中で、本来のお姿や色彩を間近で楽しめます。
それぞれのお顔の特徴や道具の意味を知るともっと仏様が好きになる!
あなたの推し仏さんを見つけに足を運んでみませんか?
仏画が初めての方でも楽しめる視点を香川沙織さんからお聞きしてきました!
日内山霊芝寺の客殿にやってきました。
靴を脱いで仏画展が行われている客間に入ると、ふわっと心地よい白檀の香り。
寒さで固まっていた体を緩めながら展示されている仏様を眺めてみると…
それぞれに目の形や爪の様子が違うことや、手に様々な道具を持たれていることに気づきます。
そしてお寺でお会いする時とは違った鮮やかな色彩!
仏画を拝見するのは初めてですが、こんなに美しい世界なのだと驚きました。
仏画を描くための道具も展示されています。
日本画である仏画は天然の色素に貝殻の粉「ごふん」を混ぜた水干絵具を使い、それに膠(にかわ)を混ぜて主線や面を塗って行きます。
下書きは筆を使って下書き用の紙に描いていきますが、この中で一番太い筆で、、、
こんなに細い線が描けるの?とびっくり!
しかも間違えると最初から描き直し。
1つの作品を仕上げるまでに、3度も4度も下書きだけで描き直すことがあるそうです。
クリック1つで修正ができるデジタルとは違い、人の力で描きあげていく手法に感動しました。
これらの仏画を描かれているのが香川沙織さん。
幼少期からご家族が神仏に対して熱心で、お寺にお参りすることも日常だったそう。
そんな中、小学4年生の時に連れて行ってもらった空海展で大日如来の仏画に出会い、エメラルドグリーンに光る美しい姿を見て「仏画を描いてみたい!」と思ったのが始まり。
もともと絵を描くのが好きだった香川さんですが、仏画にさまざまな描き方があることを知ってどう描くか迷っている中、よく家族でお参りに行っていたお寺で現在のお師匠さんである山口先生に出逢います。
『仏画は絵ではなく仏さんそのもの。だからあなたの家の大きさに合った仏さんを描いてずっとお祀りするもの』と言う山口先生の教えのままに、歪みなく左右対象の姿を描き、違和感を感じた際には関係書物で確認するなど、忠実に描く香川さん。
ただただ描くのが楽しく、出来上がれば「綺麗やわ〜」と眺める。
それがいいんです、と笑顔でおっしゃっていました。
今回の展覧会では香川さんの初期作品から最近のものまで19点が展示されています。
描きはじめた20代の時の大日如来さまと35歳の時に描いた釈迦如来さまのお顔を見比べてみると、線の強さや表情が全然違うことに気づきます。
(香川沙織さん)
「若い頃は仏さんの姿をそのまま描き写していたのだと改めて思います。描き始めて15年。なぜこの衣なのか、なぜこの台座なのか、なぜこの道具を持たれているのか。それを考えるようになったら『自分の仏様』が描けるようになってきました。」
ということで、香川さんから仏画の細部の楽しみ方を教えていただきました!
こちらの千手千限観世音菩薩様の仏画を細かく拝見してみましょう!
赤い球の中にいるのは八咫烏(ヤタガラス)。
下書きでは鳩のようになってしまったので、しっかりカラスに見えるように修正されたそう!
爪にも注目! 多くの仏様は深爪タイプですが、その時代の流行によって長めの爪が描かれることもありました。
口伝のように絵で伝えていく仏画もその流行が写しとられています。
こちらは深爪タイプの別の仏様。本当に爪の形が違います!
仏様の髪の色は本来はこのような綺麗な青なのだそう!
道具や爪の違いなど、仏画の細かい違いを教えてもらいつつ拝見しましたが、初めて知ることばかりで非常に興味深かったです。
今後お寺のご開帳で仏様を拝見する時に見る部分が変わりますよ〜!
(香川沙織さん)
「菩提寺である霊芝寺で仏画展を開催するのは2回目です。前回は『仏様に会いに』でしたが、今回は『仏様と対話を』。仏さんを尊敬できる上司みたいな存在と思って、ゆっくりとお話しいただきたいと思います。そのために心が緩む香りのお香も焚いています。ぜひ好きな仏さんを見つけて、あなたならではの見方で仏画を楽しんで欲しいです。」
香川沙織 仏画展 〜静寂と対話〜
開催日時/2025年11月12日(水)〜17日(月) 9:00〜16:00(最終日15:00まで)
場所/日内山霊芝寺 客殿
拝観料/無料
駐車場/あり
※仏画は正面からアップで撮影するのはご遠慮ください。今回は取材のため特別に正面から撮影させていただきました。


