11月15日(土)鴨部にある「かべっこ」にて、モーネ工房さんによる来年のカレンダーづくりが開催されました。
来年用の真っ白いカレンダーに「小さなおべんとう箱」を作り上げていくワークショップ。
幼い頃の思い出や憧れのお弁当。
参加者それぞれの個性がぎゅっと詰まった作品が完成!
お米が育った田んぼのそばで行うものづくりの時間はとっても豊かで、終始ほのぼのとした空気が流れていました。
実はこのイベントは「かべっこ」のおにぎり弁当がきっかけとなり始まったもの。
誰かを思う気持ちがこのイベントにつながったエピソードをご紹介します。
里山に囲まれた田園風景が印象的なさぬき市鴨部地区。
春には黄金の麦穂、秋には黄金の稲穂がきらきらと光る豊かな場所です。
そんな田んぼが見渡せる場所で手作りのおむすびを販売しているのが「かべっこ」さん。
米麦農家として鴨部で作り続けているお米ともち麦を使って作るおむすびやおはぎ、お弁当は大人気で、早くに売り切れることもしばしば。
そんなかべっこさんで毎年この時期に行われているのが、香川県三豊市仁尾町のアトリエを拠点に活動されているモーネ工房の井上由季子さんによるカレンダー作りです。
とあるきっかけで「かべっこ」のおむすび弁当に感動した由季子さん。
その縁を繋いだKaltivateの国見さんに、おむすびをテーマにした紙のワークショップをやりたいとリクエストして始まったイベントで、今年で4回目。
幅広い世代の方と紙を通じたものづくりの場を作り続けてきた由季子さんならではの時間を楽しみに、今年も多くの方が集まりました。
毎年素材やテーマを変えながらカレンダーを作りますが、今年の制作テーマは『小さなおべんとう箱のカレンダー』。
おむすびだけを詰めてもよし、梅干しごはんにしてもよし、どんなおかずを詰めてもよし。
楕円形や長方形のお弁当箱型の紙も用意されていて、ここに何を詰めようかと考えるだけでワクワクします。
材料も色紙、チラシ、新聞紙と様々なものがあり、由季子さんの普段の活動から生まれた紙の端材や県外から送られてきたものも。
特に新聞や広告の端材は表情があるのでいろんなアイデアが生まれそう。
参加者は親子から大人の方まで様々。力作がどんどん出来上がっています!!
驚いたのはほとんどの方がリピーターということ。一度作ってもまた作りたくなって、毎年この時期を楽しみにしているのだとか。
出来上がったカレンダーが展示されていましたが、1月だからお正月らしいお弁当、2月は節分らしいお弁当など、季節を感じるものを作られていてカレンダーをめくるたび楽しくなります。
なるほど!と思えるものや実際にあったら食べてみたい!と思えるお弁当も!
梅干し一択のお弁当、おむすびお弁当、贅沢な巻き寿司弁当もありました!
写真左は俵おむすびのお弁当。
お弁当といえば型抜きの俵おむすび!ごまを振ったものが定番だったなあと懐かしい気持ちで作られたそう。
写真右はびっくりの穴子弁当!
図書館で借りた駅弁の本に『香川の駅弁は穴子飯』というのを見たのを思い出して作られたそうです。穴子のダイナミックな動きが素敵!
1月におめでたい富士山弁当を作られた方も。おむすびがちゃんと下に置いてあるのがかわいい!
写真真ん中は小さい男の子が作ったごぼう弁当。
ごぼうが好きだから考えながら作ったよ!と教えてもらいました。
ちなみに横の丸はファストフード店のチーズバーガーだそうで、ちゃんとチーズもキャベツも入っています。
好きなもの盛りだくさんの楽しいカレンダー。
「最初は全部作らないとダメなのかなと思っていたけど、何回か参加するにつれて1月を一生懸命作り込んでいいんだと思ったんです。誰も怒る人はいないし。今回で3回目ですが緊張せずにゆったりと作ることができました。」
「同じテーマなのにみんな全く違うものが出来上がるのがすごいなと思います。自分も刺激されるし出来上がる過程を見るのも毎回楽しみです。」
と、参加者のみなさん。
丁寧に作り込む方が多いため、大体の方が1、2月を作り終えたくらいでタイムアウトに〜。
残りはお家に持って帰って続きを作ります!と張り切っていました。
由季子さんの旦那さんである正憲さんもサポートにきてくださっていて、普段は陶芸作家さんですが休憩中のお子さんと工作をして遊んでいました。
懐かしい糸電話で楽しむ風景もいいなあと思えるほど、ゆったりとしたいい時間が流れていました。
カレンダーづくりが終わればお昼ごはんタイム!
これが楽しみで毎年参加しているという方も多い「かべっこ」さんのおむすび弁当です!
手作りのおむすびと和のお惣菜、温かいお味噌汁が用意されていました〜!!
おむすびと並んで登場したのは鴨部の郷土料理「カンカン寿司」!
瀬戸内の鰆を酢飯と一緒に専用の型でぎゅっと押して作りますが、その時に木槌で「カンカン」と音を鳴らしながら締めていくため「カンカン寿司」と呼ばれています。
忙しい田植えの時期にお昼ごはんを食べに帰る時間がない農作業中の家族のために作っていたもので、しっかりと押し固めているため田んぼに向かって投げて届けたとも言われています。
「かべっこ」さんでは親戚の方が専用の木枠を譲ってくれたことから作りはじめたそうで、今では新しく小サイズの木枠もオリジナルで制作。
地元の伝統食を知ってもらいたいと店頭やマルシェで旬の食材を使った「カンカン寿司」を販売しています。
ちなみにこの日はおかかのふりかけと野菜を混ぜ込んだもち麦入りの酢飯に、オリーブサーモンと卵焼きをサンドしたお子さんでも食べやすいレシピでした🎵
みんなで作ったカレンダーを眺めながら昼食タイム。
どんなお弁当を作ったのか、その中身や思い出を話しながらおむすびを頬張る時間がとても豊かに思えました。
窓から外を見れば綺麗な田んぼの風景。ここで育ったお米をいただき、カレンダーに描き綴る。
ここでしかできない喜びを噛み締める食事の時間となりました。
毎年ワークショップを主催されているKaltivateの国見さんも…
(写真右/主催のKaltivate 国見さん)
「新米が穫れて落ち着いた頃に、この田んぼを眺めながらカレンダーを作るのがいいなと思って始めました。ここにしかない空気がいつも素晴らしいなと思いますし、ものづくりをするときは本当にみなさんいいお顔をされています、集中して自分のオリジナリティを作り上げる姿は美しいし、その場づくりがここでできていることも素晴らしいと思っています。」
カレンダーワークショップの原点は「かべっこ」のおむすびだった
このワークショップは主催の国見さんが「かべっこ」のおむすび弁当をモーネ工房の井上由季子さんに届けたことから始まりました。
数年前、お義母さんの自宅介護をされていた由季子さん。
陣中見舞いに温かい食事を届けたいと、国見さんが「かべっこ」さんにお願いしてお弁当を作ってもらい差し入れされたそう。
おむすびと手作りのお惣菜、そして温かいお味噌汁。
お世話が忙しく食事を摂るのもままならなかった由季子さんの心と体に染み込んだお弁当になったようです。
(モーネ工房 井上由季子さん)
「忘れられない味だったんです。義母を26日間在宅で看護したんですが、素人の自分がするにはとても怖くて。ずっと気が張っていたんです。思えば自分たちのごはんもちゃんととれていなかった。そんな時に国見さんがかべっこさんのお弁当を届けてくださったんです。ああ、おいしい、と五臓六腑に染み込みました。その後落ち着いて義母を看取れたのもあのお弁当のおかげですし、わたしはあの食事を一生忘れないと思います。」
(モーネ工房 井上由季子さん)
「国見さんにお礼状を書いた時に、かべっこさんでおむすびのワークショップができたらとお願いしました。わたしたちは香川に移住する前にいた京都の頃から紙のワークショップやものづくりの場所を作っていたので、紙のおにぎりを作るワークショップができたらいいなと。実際に4年間やってみてこんなに豊かな場所はないなと思いました。かべっこの六車さんからお米やおむすびの話を聞けて、美味しいお弁当も食べられて、五感をしっかり使う時間。五感を動かすというのは私たちがものづくりでとても大事にしていること。それを香川県で開催できるなんて本当に素敵なことだと思っています。」
おむすびによって結ばれたご縁で始まったワークショップを4回終えて、「かべっこ」の 六車亜弥さんも…
(写真右から二番目:「かべっこ」六車亜弥さん)
「由季子さんから、あの時お弁当を食べて気持ちが救われたという話を聞くたびに涙が出ます。そのお弁当を通じてご縁が繋がったことにも感謝したいですし、毎年参加してくださる方にお会いできるのも嬉しい。カレンダーを見たらおむすびがたくさんあるし、もう大満足です!」
小さなおべんとう箱のカレンダーづくり ※終了
開催日時/11月15日(土)10:00〜13:00
参加費/2500円(おむすびお弁当、モーネ工房の2026年カレンダー2セット付)
お問い合わせ先/090-1577-4928(Kaltivate 国見さん)
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