この春、地元を離れて進学・就職する方が新生活の準備を進めるこの時期。
新天地で「あなたの地元の名物は何?」と聞かれるシーンもあるでしょう。
特産品、観光地を思いつく人も多いと思うのですが、地元にしかない風習を伝えてみるのはいかが?
さぬき市志度には、ほかにはないちょっと変わった「風習」があります。
それが節分の「鬼の豆もらい」。
節分の日に地元の子どもたちが町中を駆け巡り、『鬼の豆ください』という一言でお菓子などを集めるというもの。
志度寺の門前通り中心に始まったと言われる「鬼の豆もらい」、今年の様子をご紹介します。
遡ることひと月前、2月3日(火)の節分の日。
さぬき市志度の国道を通りがかると、いつもは見えない小学生の姿が歩道にたくさん。
そういえば今日は「節分」。
志度の節分といえば…「鬼の豆もらい」の日だ!!
「鬼の豆もらい」は節分の日に、志度に住む子ども達が地域を回りお菓子をもらいに行く行事のこと。
もともとは志度寺の門前通りを中心に始まったと言われており、その頃は子どもたちが自分たちが撒くための豆を貰いに行っていたとお聞きしたことがあります。
その舞台となっていた志度寺の門前通りも当時は商店が立ち並ぶ志度のメインロードでした。
子どもたちは集めた豆を持って通り沿いの神社へ集まり、豆を投げたり食べたりしていたようです。
国道11号沿いにスーパーや大型の商業施設ができてからは「鬼の豆もらい」のメインロードも国道へと徐々へ移り、子どもたちがもらう「豆」もお菓子や文具などに形を変えてきました。
今年も国道11号を走ると、いつもは見かけない子どもたちの集団をあちこちで発見しました。
こんなに志度に子どもたちがあふれる日はないのでは?と思うくらいの風景。
地域の方に伺うと、最近では小学校が「鬼の豆もらい」に周る時間を設定して、PTAのみなさんが安全パトロールを実施されているそう。
そんな中、子どもたちのテーマは「時間内により多く『鬼の豆』を集める!」。
そのために志度のまちをどう巡ればよいのか、地元ならではの土地勘を生かして考えるのです。
さて、現代の「鬼の豆」ホットスポットと言われる国道11号線沿い、マルナカ志度店の交差点近くにある洋菓子店「Ainaふろーりあん」さんに行ってみると、、、
すでに「鬼の豆終了」の貼り紙が!
始まって数十分で鬼の豆が終わってしまったそう。
ものすごい勢いです!
同じように飲食店はもちろん、周辺のアミューズメント施設や電気店なども「鬼の豆」に参加されていて、子どもたちが出入りする様子がみられました。
かつての「鬼の豆」メインロードである志度寺門前通りの様子はどうでしょう?
足を運んでみると通り沿いの子どもたちの姿はまだ少なめ。
それでも普段子どもたちの姿が見えないこの時間に、数人のお子さんが歩いていることに驚きです!
そんな中、平賀源内旧邸近くの老舗商店「金川食料品店」さんにお邪魔すると、、、
ありました〜!「鬼の豆」!!!
ビンゴくじ形式でお菓子がもらえると言うものでした!
これは子どもたちもわくわく〜!
「今年はビンゴくじ。去年はじゃんけんにしました。毎年、今年は何をしようか?と考えてね。こういうのも楽しまないと!」と金川さん。
お店には普段から地域のおじいちゃんおばあちゃんがやってきますが、節分が近くなると『そろそろ鬼の豆やから何か用意しなきゃいかんね』という方もいらっしゃるのだそう。
かつては民家にも「鬼の豆」をもらいに子どもたちがお邪魔していたようですが、最近では『民家には立ち寄らない』というルールが出来て、最近は来んからなあと寂しそうな声を聞くこともあるのだとか。
さて、金川食料品店から東へ、志度寺の門前通りを歩いていくと、、、
すぐ近くの平岡酒店さんではドリンクのノベルティグッズを「鬼の豆」として配布中!
立ち寄った女の子たちに成果を見せてもらいました!
子どもたちもお菓子以外のものを貰えてみんな嬉しそう〜!!
一緒にいたお母さんも志度っ子で、「鬼の豆もらい」の日は多和神社の方から国道にかけて走り回っていたそう!
「今は民家には伺えませんが、私の時にはありとあらゆる個人宅を回ってお菓子や駄菓子をもらっていましたね〜。」とお母さん。
さらに東へ進むと出会う「地蔵寺」さんでもこんな貼り紙が!
客殿にお邪魔すると、入り口にお菓子をたくさん積んだ箱がいくつか用意されていました!
鬼の豆を用意する店舗の方には、『鬼の豆ください』という言葉だけで終わるのではなく、
ちゃんと挨拶ができたか、ありがとうが言えたか、なども教えつつ手渡しているという声も。
かつては近所のお兄ちゃんお姉ちゃんとともに巡り、年上から教えてもらっていた社会のルール。
現在は地域のお店の方たちが「鬼の豆もらい」を通じて教え育てているということを実感しました。
地域とのつながりを感じ、子どもたちにまちの印象を色濃く残す風習のひとつ「鬼の豆もらい」。
志度に住む子どもたちだけのお楽しみを覗かせてもらった1日でした。
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